新しい新生児スクリーニング

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新生児スクリーニング検査とは、新生児期における心身障害(脳障害やその他心身発達障害)の発生を予防するため、早期治療の効果的な疾患を対象として早期発見のための検査を行い、発症前のできるだけ早い時期に専門医による治療を開始しようというシステムです。このため基本的には検査にかかる費用全額を公費で負担して行ないます。

対象疾患として全国的には、厚生労働省の通達に準じ下記6疾患として実施されていますが、近々タンデムマスと呼ばれる新しい分析装置を導入して、有機酸代謝異常症・脂肪酸β酸化異常症を含む19疾患を新たに追加した拡大スクリーニングの治験検討を終え、正式な行政事業として実施してゆく予定です。

わが国では昭和52(1977)年より開始されています。下記に示すような6つの疾患が対象になっていますが、この事業によって年間数百人の小児が障害から守られ、これまでに8,000人以上の小児が障害から救われたといわれています。

基礎スクリーニング6疾患(全自治体共通)

先天性甲状腺機能低下症
副腎過形成症
ガラクトース血症
フェニルケトン尿症
メープルシロップ尿症
ホモシスチン尿症

発見頻度

先天性甲状腺機能低下症(クレチン症) 約2,200人に1人              先天性副腎過形成症 約20,200人に1人
ガラクトース血症 約41,700人に1人
フェニルケトン尿症 約75,000人に1人                      楓糖尿症(メープルシロップ尿症) 約545,500人に1人
ホモシスチン尿症 約375,000人に1人

拡張スクリーニング一次疾患13疾患

<アミノ酸代謝異常>
シトルリン血症Ⅰ型
アルギニノコハク酸尿症
<有機酸代謝異常>
メチルマロン酸尿症
プロピオン酸血症
イソ吉草酸血症
メチルクロトニルグリシン尿症
ヒドロキシメチルグルタルサン尿症
複合カルボキシラーゼ欠損症
グルタル酸尿症Ⅰ型
<脂肪酸β酸化異常>
中鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症
長鎖ヒドロキシアシルCoA脱水素酵素欠損症・三頭酵素欠損症
極長鎖アシルCoA脱水素酵素欠損症
カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼⅠ欠損症

拡張スクリーニング二次対象疾患

<アミノ酸代謝異常>
シトリン欠損症
<有機酸代謝異常>
3ケトチオラーゼ欠損症
<脂肪酸β酸化異常症>
カルニチンアシルカルニチントランスロカーゼ欠損症
全身性カルニチン欠乏症
グルタル酸尿症Ⅱ型

先天性代謝異常等検査とは

以上何だか難しそうな名前が並んでいますが・・・わかりやすくまとめると

多くの赤ちゃんのなかには、稀ではありますが生まれつき特定の栄養素を利用できなかったり、ホルモンの過不足を生じる病気をもっている場合があります。

このような病気の早期発見・早期治療、そして発症を予防する目的でおこなわれているのが
先天性代謝異常等検査(新生児スクリーニング)です。

治療方法には、食事療法やホルモン補充療法などがあり、早い時期より適切な治療を続けることによって通常の生活を送ることができます。

検査の受け方から結果までは?

先天性代謝異常等検査は出産された医療機関で受けることができます。

検査申込み書に必要事項を記入してください。 生後4~6日(出生日は0日と数えます。)の赤ちゃんのかかとから微量の血液を検査ろ紙に採取して、専門の検査機関で検査を行います。入院中に赤ちゃんから採血し、専用ろ紙に血液をしみ込ませます。血液ろ紙は検査機関に送られ、 検査結果は10日~2週間ほどで検査した医療機関に届きます。

検査の結果、再採血をお願いすることがあります。 医療機関でもう一度採血をしてください。再検率は60〜100人に1人と言われています。

『再採血=病気』ではありません。代謝が安定するまで、時間のかかる赤ちゃんもいますので、再検で異常なければ心配ありません。

再検査の結果、必要と判断された場合は精密検査実施医療機関にて精密検査を受けていただくことになります。

先天性代謝異常の治療法は?

遺伝子治療や細胞治療などの研究が進められていますが、まだ根本的な治療法は見つかっていません。先天性代謝異常のほとんどは早期発見と早期の治療開始により、症状をおさえることが重要です。

先天性代謝異常は、食べ物に含まれる成分を代謝できないときに、症状が悪化するため、代謝できないものを摂取しないように控える必要があります。成分を調整した特殊なミルクをあげる、足りない酵素を補うビタミンを投与するなどの治療法もあります。それぞれの症状に合った治療法を医師から提示されるため、よく相談をして対処していってあげてください。

早期発見・早期治療で先天性代謝異常から守る

先天性代謝異常症は先天性のもですので、持って生まれたものになりますが、発症を予防することはできます。食べ物に制限があるなど、持って生まれたものを変えることはできないかもしれませんが、早期治療をすれば他の子たちと変わらない生活を送れるようになります。

赤ちゃんの成長と、より可能性のある人生の為に、今しかないこの時を大切にしましょう。

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